スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

SS


推奨BGM


あたしはただ幸せが欲しかった。
幸せになれると思っていた。
冷たく横たわる雪姉を見るまでは
あたしは世界一の幸せ者だって思っていたんだ。

「ゆきのうた、あめのいろ」

通夜の参列者は少ない、
雪姉は病院にほとんどこもりっきりで
知り合いなんてその関係者がほとんどだ。

もともと雪姉は身体が丈夫なほうじゃなかった。
最初に出会ったのも病室の同じ部屋。
骨折で入院したあたしに
「ふふ、大変だったわね」
と静かな笑顔で語りかけてきた。
薬の作用で金髪ほどの色素まで薄れた長髪と
その整った顔立ちは同性のあたしですら
顔をぼーっと見つめてしまう、そんな顔立ちの
美人だった。
その時ですらすでに5年ほど入退院を繰り返してた
みたいだ。

お経が始まった。
あたしを含めて・・ひぃふぅみぃ・・・
12人くらい。
まったく雪姉は人気がないなぁ。

「カナちゃんは恋人はいるの?」
入院してからここ数日、そんな人が
来てないことくらい雪姉だって知っている。
「沢城さんはどうなんですかっ・・」
少しむっとしたあたしは質問に答えず質問を
返してやった。
ちなみにまだ雪姉と呼ぶ前の話だ。
「ん~・・・・私はねぇ・・」
眉間にしわを寄せて考え込んだ雪姉、
こんな顔でも美人だなんて神様は不公平だと思った。
「女の子しか好きにならないのよ」
また静かな笑顔、ずるい。
このときはまだ、彼氏がいないものだから
雪姉が負け惜しみにそういうことにした冗談だと思っていた。
思えばこの時も「彼氏」じゃなくて「恋人」って聞いてた。

焼香が始まった。
あたしは一番後ろに座ってるから最後だ。
大人の人が順番に焼香をしている。
男の人もいるけど、きっと雪姉は嫌がってるだろうな。
男の人がお見舞いにくるといつも不機嫌そうだったもの。

「はい、カナちゃん、あ~ん」
口を開く前に、すでにフォークに刺さったメロンを
ぐいぐいと押しつけてくる。
「ちょっと・・・っ・・んぐっ」
口をあければそのまま突っ込んでくるからタチが悪い。
結局仕方がなしに、もぐもぐと食べるしかないんだ。
「んふふ~、はい、あーん」
まだ入ってる、入ってるってば。
ぐいぐいと押しつけられても入らないものは入らない。
そういう時は雪姉はあたしの口に押しつけたものを
自分で食べるんだ。
食べさせたときより食べたときのがとても嬉しそう、
ほんとに病人なの?って毎日何度も思った。

そろそろあたしの番だ・・・。
席から立ち上がる。
「・・・・雪乃っ・・・・!!」
黒い、セーラー服を着た女の人が勢いよく
入ってきた。
そしてみんなの注目を浴びたままその場にへたりこんだ。
たぶん高校生、あたしより年上だ。


気が向いたら続く





スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

no subject

もう病気ですねw
楽しみにしてますよw

no subject

最初マジメな話かと思ってたけどまたこういうことなのかw

シリアスな展開なのにふざけた感があるのがあさひ子ワールドの特徴ですね。
まぁ、楽しみにしていま・・・すw

著作権

C)2008 BROCCOLI/GungHo Online Entertainment,Inc./HEADLOCK Inc. このページ内におけるECOから転載された全て のコンテンツの著作権につきましては、株式会社ブロッコリーとガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社および株式会社ヘッドロックに帰属します。 なお、当ページに掲載しているコンテンツの再利用(再転載・配布など)は、禁止しています。
プロフィール

優月あさひ

Author:優月あさひ
エミルクロニクルオンラインの
四葉サーバーでプレイしています。
ここにこられる方はだいたい百合
好きなのを承知していると思うので
あえて隠さない方向で。
主に同世代の人が懐かしいのを見て
ニヤニヤするこのブログ

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
カレンダー(月別)
04 ≪│2017/05│≫ 06
- 1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31 - - -
カテゴリ
today's words

肥満度チェッカー

powered by ブログパーツの森
PetitNekoDancing
シチュー引きずり回し
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QRコード
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。